需要の高い訪問介護の仕事

訪問介護は、要介護者の自宅を訪れて生活援助や身体介護を行う仕事です。社会の高齢化が進み要介護者が増える一方ですが、特別養護老人ホームといった入居施設は常に満員で、待機者が多くなかなか入居できないのが現状です。待機者は自宅に留まり、デイサービスや訪問介護を利用することが多いでしょう。

しかしデイサービスやデイケアといった通所施設には定員があり、希望通りに利用できるとは限りません。そこで、訪問介護に対する需要が高まっているのです。また、国の政策によって病床の削減と早期退院が推奨され、退院後在宅で療養生活を送る要介護者も増えています。こうした高齢者は、看護専門外来などで療養生活について相談する機会がありますが、在宅中は訪問看護や訪問介護に頼らざるを得ません。

そして、排泄や食事に介助を要する重度の要介護者だけでなく、自力で清掃や洗濯をすることが困難な中軽度の要介護者も訪問介護を求めています。訪問介護のスタッフは、利用者の自宅で衣類の洗濯や居室の清掃のほか、食器洗いや料理といった生活援助もしてくれるのです。このような訪問介護の需要に対して、介護職員の供給が追い付いていません。

中軽度の要介護者が必要とする生活援助なら無資格の職員でも携われるのですが、要介護者の身体に触れる排泄や移動の介助には介護資格が必要なため、人員確保が難しい事情もあるのです。もっとも、訪問介護は夜勤がなく、勤務時間も比較的自由なので、介護職員には一定の人気があり、次第に供給が増えると言われています。